京都市左京区にある細見美術館では、2023年6月10日(土)から2023年8月20日(日)にかけて、展覧会『琳派展23 琳派の扇絵と涼の美』を開催。琳派の創始者である俵屋宗達は、扇絵などを手掛ける絵屋を営んでいました。宗達に続く琳派の作家たちも扇絵を多数制作しており、現代まで豊富な作品が伝わっています。

絵柄には朝顔をはじめとした夏秋の草花もよく取り入れられており、蒸し暑い京都の夏に涼を届けられます。爽やかな雰囲気の作品を鑑賞して、いっときだけでも夏の暑さを忘れてはみませんか。

歴代の琳派絵師の習作が登場

今回の展覧会で展示する作品のなかには、酒井抱一や俵屋宗達が制作したものが含まれます。酒井抱一の『扇面貼交屏風』の右隻には、金色の屏風にいくつもの扇絵が貼られています。扇面1つ1つに描かれている絵柄はもちろんのこと、右下から左上へ向かって扇が増えていく配置も見事です。

俵屋宗達が下絵を担当した『萩薄下絵和歌書扇面』では、深みのある青が涼し気な雰囲気を演出。扇の骨組みのような絵柄を、鮮やかな朱色で表しているのがアクセントです。扇面に書かれている書は、「寛永の三筆」に数えられている本阿弥光悦が担当しました。

ほかにも、尾形光琳や鈴木其一、渡辺始興など、さまざまな琳派の作家の作品が登場します。琳派ならではの共通点を見出しながら鑑賞するのもよいですし、作家個人の個性を感じながら観ていくのもおすすめです。

開館25周年を記念した関連イベントを実施

細見美術館は、2023年に開館25周年を迎えます。これに伴い、本展覧会でも関連イベントを実施予定です。イベントでは琳派と若冲をテーマに、専門家と細見美術館の館長が講演を行います。日程は8月20日(日)の13時30分から。事前申し込み制で、先着200名が対象です。

展覧会概要

会期:2023年6月10日(土)~2023年8月20日(日)

会場:細見美術館

   〒606-8342 京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3

開館時間:10:00~17:00

     ※入館は16:30まで

休館日:毎週月曜日

    ※祝日の場合は開館し、翌平日を休館日とする

入館料: 一般1,400円、学生1,100円

    ※障がい者の方は、障がい者手帳等の提示で100円引き

公式サイト:https://www.emuseum.or.jp/index.html