転職履歴書の書き方【中途採用】就職情報誌元編集長の転職活動アドバイス

転職履歴書の書き方について


履歴書
職務経歴書
添え状(カバーレター)は転職希望者のカタログだ


ときおり、転職希望者の履歴書をチェックする。ほとんどが本気で転職を考えているのだろうかと、首を傾げたくなる。

人事担当者は、面接しながら履歴書に目を通すわけではない。事前に送られてきたものに目を通し、自社に合いそうかどうか判断しながら、面接に呼び出すのだ。

極端な言い方をすると、履歴書から、転職希望者の人柄や能力を見極めるのである。ただただ、過去の行動記録みたいな無機質なものを読まされても、心には響かない。一言でもいい。気持ちを吐露した言葉がほしい。

昔、公募論文審査に関わったときの話である。
テーマが「世界の中の日本」というもので、学生から社会人、主婦と多岐にわたる人たちから作品が集った。

ニューヨーク在住の主婦の作品の中に、「ニューヨークは人種のおでんである」という表現があった。慣用的には「人種の坩堝(ルツボ)」であろう。非常に新鮮に響いてきたのを今でも覚えている。選考会でも話題になり、この視点が評価され、入選作3編の中に選ばれた。

何も立派な話でなくても、自分の視点・感性みたいなものが盛り込まれていれば、「会って話を聞いてみたい」に結びつくのである。

履歴書をはじめ、職務経歴書、添え状は転職希望者のカタログなのだ。そこのところをしっかり認識して記述することが、面接への近道である。


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明快な転職の理由
■失敗の反省だって立派な理由になる
「リストラにあった」「勤務していた会社が倒産した」などやむを得ない事由を除くと、転職の理由を聞かれて明快に答えられる人は少ない。必然性を考えすぎるからだろう。

仕事が合わなかったり、人間関係のトラブルに巻き込まれ、疲れ果てたのがきっかけになっているケースが多い。それをストレートに述べればいい。

いくらストレートに述べるといっても、「入社してみたら自分の描いていた仕事とあまりにも違っていました」では能がなさすぎる。「イメージと実態のギャップに戸惑い、学生時代の状況判断の甘い企業研究を猛反省しています」くらいは盛り込むことだ。

人間関係のトラブルが引き金の場合でも、バカ正直に「人と上手くやっていくのが苦手で…」なんて言おうものなら、即刻お引取りくださいと言われかねない。「ついつい仕事に夢中になり、気配りに欠けていたようで、修復のため努力してみましたが、溝は埋まりませんでした。仕事は自分ひとりが頑張ってもたかがしれてます。仕事は人との関わりのなかで進むものだと痛感しました。心機一転やり直しです」風に語れば、失敗の反省が活かされそうだと好意的に受け止めてもらえるものである。

■失業中か勤務しながらの転職か
やむを得ない事由で失業し、再就職を目指して活動している場合は、職を失った事由をはっきり明示することだ。

人事担当者は、職歴をみて空白のある転職希望者(失業中)には警戒の念を抱いてしまう。的確な状況判断ができる人物であれば、転職を考えたとき、勤務しながら転職活動をするであろう。次の手当てもしないで辞めてしまい、慌てて職探しをするというのはあまりにも場当たり的で状況判断が甘すぎる。

仮に好人物であっても、状況判断の甘い人物は仕事に穴を開けないとは限らない。不安がつきまとい、採用にはなかなか踏み切れないものだ。

不幸にして、我慢し切れなくて辞めてしまった場合、前項の事例程度には、相手を納得させる理由づけを考えアピールすることだ。それを疎かにすると、いつまでたっても面接へとつながってこない。



誤解されている即戦力
「即戦力とは?」と質問すると、即座に「業務で培ってきたスキル」とか「コンピュータスキル」「語学力」といった答えが返ってくる。新聞記事でさえ同様の捉え方をしているものもある。的外れとは言わないが何となくピンとこない。

業務で培ったスキルも転職して同じような業務につけばそれはそれなりに支障なくすぐに機能するかもしれないが、スキルをどう活かすかの発想がなければ狭い範囲の活用に終わってしまう。

即戦力が求められているからといって必死に語学力を身につけようとしている姿を目の当たりにすると悲しくなってしまう。語学が達者だからといって語学が何をしてくれるというのだろうか。語学ができないよりはできた方がいいに決まっている。ビジネスの範囲が世界中に拡がる可能性だってある。それだけのことである。

コンピュータのスキルにしても語学力にしてもツールにすぎない。自分を後押ししてくれるだけである。発想し実行に移すのは自分自身であることを自覚しなければせっかくのスキルも宝の持ち腐れに終わってしまう。

即戦力は顧客のニーズを自社のビジネスに置き換える能力である。顧客が何を考え何を求めているか引き出し、それを商品開発に活かし、サービスにどう置き換えるかを的確に判断し商売に直結させる実行力が真の即戦力であろう。



語学力・資格はツールでしかない
医師・弁護士・会計士など資格がないと就けない職業がある。そういった職業は別にして、一般企業の採用において資格は必須条件ではない。

不動産関係では宅建、情報関連では基本情報技術者試験などが業務に直接結びつく。取得しておくと業務が円滑に進むことはある。しかし、取得していると転職に有利かと言えばノーである。資格があるにこしたことはないが、これらのものが人間に代わって仕事をしてくれるわけではない。語学力同様、業務遂行を円滑に行なうツールでしかない。

企業は転職希望者にはもっと異次元のものを求めている。欠員補充で中途採用するケースもあるが、企業は新しいビジネスを開花させる発想を求めているのである。そこのところをしっかり認識しておかなければ空回りしかねない。

種々の資格を取得している人が次々とスムーズな転職をしたという話はよくある。しかし、資格を取得していたから転職に結びついたのではない。彼らの共通点は資格をツールと捉え、決して武器と捉えていないところである。「ビジネスとは何か」という意識が備わっていて、それが評価されたと認識すべきであろう。



転職面接の留意点
スキルアップを狙った前向きの転職は、意気軒昂。気持ちに張りがあるので表情も気迫に満ちている。しかし、仕事が合わなかったり、人間関係のトラブルで転職を考えるときは、どうしても表情がすぐれないものである。

陰鬱な表情で面接に臨むと、心証で×がついてしまう。どんなにいい資質をもっていても、心証で×がついてしまうと修復はむずかしい。頑張っても△止まりで、○はつかない。面接は非情なもので、生き残りゲームである。○しか次のステップに進めない。

気持ちの切り換えしかない。ふと立ち寄った店で、店員のささやきに乗せられて、予定もしなかった商品を買ってしまった苦い経験は誰しももっているはずである。これを逆利用することだ。面接に臨んでは、面接官をその気にさせて「一緒に働きましょう」と言わせればいいことである。

面接では、受験者の人間性で職場環境との適合性を、発想なり視点で業務適性を判断している。今まで携わった仕事を説明する際、ただ何をやってきたかでなく、そのとき何を考え判断し、どう取り組んだかを話すことである。失敗もあれば苦労したこと感動したことがいっぱいあるはずだ。自分の取組み方を説明しやすいエピソードをつかい「私はこのような取り組みができます」と熱い気持ちをぶつけることだ。熱い気持ちが相手の胸襟を開きその気にさせるのである。


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